Dropbox Paperというドキュメントツール
2015年10月にベータ版で提供されていたDropbox Paperが約1年4ヶ月の期間を掛けて先月末に正式公開された。同時にiOS用のアプリも更新されていたので、現時点での使い勝手をメモしておく。
Dropbox Paperとは
いわゆるドキュメント編集ツール。Google Docsのもそうだけど、Dropboxも共同編集機能が大きな機能のひとつになっている。ベータ版の頃から申し込みはしていたが、すっかり失念していたところに、先日正式版の通知を確認したので、ざっと触ってみた。
ブラウザで使う
Dropbox Paperを利用するにはPC or Macのブラウザの他iOSアプリが提供されている。まずはWindowsのChromeからアクセスしてみる。
基本的な使い方はとてもシンプル。ファイルのタイトルを入力すると、ファイル名となって、あとは好きに記述していくだけ。記述方法はMarkdown記法が使えるので、特に違和感なく使えるはず。入力したテキストを選択すると、コンテキストメニューが表示されるので、Markdown記法を知らなくても書式設定は可能だ。
他で利用しているMarkdownエディタとの違いを感じたのはビジュアル的な要素が強いこと。Dropbox内、PC内の写真やYouTube動画の貼り付けはもちろん、表の挿入も簡単。
写真とかタスクリストとか
Markdownで書いていると図表の作成に割と頭を悩ませるケースが多いけど、Dropbox PaperについてはWordやPagesのように見たまま編集できるのは、とっつきやすいといった印象。HTMLをWYSIWYGエディタで触っている感覚に近い。
表はDropbox Paper内での追加編集も可能だが、Excelシートのセルやグラフをそのままコピペすることもできる(当然だけど計算式などの編集はできない)。逆にExcelからDropbox Paperに貼り付けた表をコピーし、他のテキストエディタに貼り付けると、Markdownに置き換えられるのは気が利いている。
iOSアプリで使う
ひと通り使ってみたが、ブラウザで提供されている全ての機能は現時点でのiOSアプリでは利用できない。特に表の挿入やEXCELからの表の貼付けができないのは残念なところ。(PC or Macで作成したドキュメント内の表の編集は可能)
一つのファイルを複数(人)のアプリで開いて編集できるので、会議や定例会ではディスプレイが無い会議室や、打ち合わせ場所でもそれぞれのデバイスから編集できるのはメリット。加筆、修正はほぼリアルタイムで更新されていくのは、WordやPagesよりもメリットは大きそう。上手く使えば議事録作成も不要になるのかなと言った感想。
PowerPointほど凝った資料は作れないが、逆に考えればテキスト中心のシンプルな資料になるはずなので、社内の打ち合わせなどには向いている。
オフラインで利用する
iOSアプリ、ブラウザともにオフラインで利用するのは難しい。試しに機内モードに設定して使ってみたが、エラーになり編集すらできない状態になるので、オンライン前提のエディタと考えたほうが良さそうだ。
まとめ
iOSアプリの出来も含めた全体的な印象としては若干荒削りといったところ。敢えてこの時期にGoogle、Apple、Microsoftなどの競合が多いサービスに参入してくる意図まではわからないけど、ちょこちょこアップデートされるような感じなので、引き続きウォッチしていきたい。