EPISODE 02

モバイルワークを試行錯誤するブログ

ThinkPad X1 Carbon 2018

2年ほど前に購入したHPのラップトップEliteBook Folio G1 だけど、バッテリーが2時間くらいしか持たなくなってしまったので、買い替えを検討していた。最近PCやスマートフォンの買い替えるタイミングってスペックに不満が出てきたというより、バッテリーが持たなくなったという理由が大きい気がする。

HPのラップトップは結構使い勝手が良かったので、後継機でいいかなとHPのWebサイトを見てみると、Folio G2とかG3といった機種は発売されていない。仕方がないのでいくつかのメーカのWindows 10ラップトップを見てみるけど、ピンとくるのがない。条件としては、

ディスプレイサイズが13インチ前後、

液晶は非光沢フルHD以上の解像度、

まともなキーボードを搭載、

1㎏前後の重量、

と、あまり贅沢を言っているつもりはないのだけど条件を絞っていくとほんの数機種になってしまう。国内メーカも海外メーカも、光沢液晶だったり、入力が疲れそうなキーボードだったりと所謂レガシーなラップトップは流行っていないのか。用途はエディタでコードを書くこと、ブラウジング、オフィスアプリの編集程度で、動画とか写真の編集をしたりゲームをしたりという使い方はしない。

最終的にDELLのXPS 13とlenovoのThinkpad X1 carbon、X280に絞り込んで実機を確認し、最もキーボードが好みだったThinkPad X1 carbonを選択。直販サイトで約17万円と想定した予算より安めに収まった。購入前に次期X1 carbonも発表されていたけどスペックに大きな変化もなさそうで、発売日も未定なので現行世代を購入した。

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発注したスペックは以下の通り。

● インテル Core i5-8250U プロセッサー (1.60GHz, 6MB)

● Windows 10 Pro 64bit

● 8GB LPDDR3 2133MHz Soldered

● 256GBソリッドステートドライブ (M.2 2280, NVMe) OPAL対応

● 14.0型WQHD液晶 (2560x1440 IPS 300nit) 光沢なし

● 指紋センサーあり

● 日本語キーボード (バックライト、指紋センサー) ブラック

● WWAN対応 Fibocom L850-GL

● WLAN+WWANアンテナ

● インテル UHD グラフィックス 620

価格、納期

購入したのはLenovoの直販サイト。納期や購入金額が毎日変化するので買うタイミングが難しい。あれこれ悩むといつまでも買えなくなるので購入を決めたときに買ってしまうのがベストかもしれない。

納期は国内の米沢生産モデルと中国生産モデルがあったけど、今回のCTOでは中国生産モデルで、決済完了後12日で到着した。1か月くらいを想定していたので以外に早く届いたかなといった印象。

インプレッション

CPU

CPUは第8世代のCore i5-8250U、4コア、8スレッドと必要十分どころかオーバースペックな気がするけど、選択肢の中では最低のスペックだったのでこれを選んだ。実際に使ってみてもCPUリソースが不足する場面は見られなかった。バッテリの節約機能をONにして使ってもパフォーマンスに不足を感じることはないので、4K動画の編集やRAW写真編集、ゲームをしないようであれば不満を感じることはなさそう。

メモリ

メモリは16GBに変更するか迷ったけど、今使っているラップトップで8GBを使い切るようなことはなかったので、8GBを選択した。たまにタスクマネージャで使用量を確認してみても最大で6GB程度しか使っていないので、メモリ不足は心配していない。

ストレージ

ストレージ容量は256GBのM.2 2280, NVMeを選んだ。当初は128GBにして不足した時点で換装することも検討したけど作業が面倒な気がしたので、256にした。256GB以上であればNVMeを選択できるので書き込み、読み込みとも高速になる。

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ベンチマーク

モニタ

モニタはFHDとWQHDが選択可能だったので欲張ってWQHDを。非光沢を選択したので、ギラギラした感じがないし、映り込みも少ないので、作業に集中できる。光沢液晶はスマートフォンやタブレットで使うのが向いている気がする。

解像度についてはWindows10のスケーリングも実用的になってきているので、普段使うアプリケーションで、レイアウトが乱れるようなことはない。スケールは125%で使っているけど、エディタでフォントが印刷物のように見えるのは本当に気持ちが良い。ブラウザのフォントはデフォルトではアレなので、Noto Sans JPに変えるとMacやスマートフォンのように美しいフォントで表示されるので、是非変更しておきたい。

LTE

ThinkPad X1 CarbonはLTEモデムをconfigurationできるので、移動が多いのであれば選択しておくと、PCの使い勝手は大きく向上する。スマートフォンでは当たり前だけど、場所を問わずOSが立ち上がった瞬間からインターネット接続されているのは、快適そのもの。以前にもSurfece3のLTEモデルを使っていたけど、モデムが不安定だったため、快適というよりむしろイライラすることが多かったが、X1 carbonのモデムは非常に安定しているので、接続できなかったり切断されたりということはない。

SIMはmicroSIMなので、iPad Proで利用していたソフトバンクのSIMを入れて使っている。電車や新幹線の中でも安定して使えているし、テザリングでスマートフォンのバッテリーを消耗したりWi-Fi難民になるようなこともない。当然SIMフリーなので海外でも現地のSIMさえ調達できれば国内と同じように常時接続で利用できるはず。

筐体

本体サイズは13インチ相当なのだけど、今はやりの狭額縁なのでディスプレイサイズは14インチ。今まで使っていたHPは12.5インチだったのでフットプリントは若干大きくなるため、新幹線や飛行機の普通席、狭いカフェなどでは窮屈に感じることもある。 外観はThinkPadのそれ。特別薄さをアピールするようなデザインでもなくMacBookのようにスタイリッシュという印象はないけど、なぜか古臭さも感じない。悪目立ちせず完全に実用性に振り切ったデザインなので、出先で使うのに躊躇うようなこともなさそう。ThinkPadのiの文字が赤色のLEDで転倒するのが唯一のポイントか。

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カーボンかつ黒のボディのせいで指紋や手の脂が目立つのが気になるところ。使い終わったら軽くメガネ拭きで拭き取れば消えるので、小まめに清掃している。

拡張性

今時のラップトップはUSB Type-Cのポートだけというのが主流っぽいけど、X1 CarbonはUSB Type-Cが2ポートの他にフルサイズのHDMIポート、USB-Aポートが左右に1つずつとレガシーなポートも搭載されている。自宅でもオフィスでもUSB-Cのアダプタ経由で各中編機器に接続しているので恩恵は少ないけど、会議室などのプロジェクタとかモニタは意外にType-Cの普及が進んでいないので、ドングル持ち歩くことがなくなったのはありがたい。電源を入れていないときでもType-AポートからiPhoneの充電できるので、PCをモバイルバッテリー的に使うこともできる。

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キーボード

ThinkPadを購入するのは初めてだけど、想像していたより遥かに打ちやすいキーボードだった。

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ThinkPadは少し前までごちゃごちゃしたキーボードという印象だったけど、X1 Carbonはすっきりしている。MacBook、MacBook Proのキーボードはいつまで経っても慣れないけど、このキーボードは一瞬で慣れた、というか昔の打鍵間を取り戻した感じ。久しぶりに剛性感のあるラップトップキーボードに出会えた。静音性もかなり高いレベルで設計されていて、会議中や静かなオフィスでも全く気にすることなく使えると思う。バックライトも搭載されているのでホテルや飛行機など薄暗い場所でも快適に使えるはず。

打鍵感を求めていくつかの外付けキーボードも使っているけど、場所によってキーボードを変更すると自分のコンテクストスイッチも切り替えるなければいけないので、そのコストを考えるならばすべての作業をこのキーボードで行ったほうが良さそう。今は外付けディスプレイを使っている時でも外付けのキーボードを使うことはなくなった。

トラックパッド、トラックポイント

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WindowsラップトップのトラックパッドはMacBookに比べて小さいし精度も良くないので今まで積極的に使ってこなかったけど、X1 Carbonはかなり実用的。サラサラしてて触れた感じも嫌じゃない。もうマウスは持ち歩かなくてもいい。

トラックポイントについては真剣に使うのは初めてだけど、まだ全然慣れない。本当はもう少し活用できるかと思っていたけど、トラックパッドの使い心地が良いのでついついトラックパッドを使ってしまっている。とはいえせっかくThinkPadを購入したのでトラックポイントは是が非でも自分のものにしたいところ。

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バッテリー

カタログスペック上は11時間とかうたわれているけど、実際にはそんなに持たない。Lenovo Vantageというアプリでバッテリーの管理ができて、80%に抑えるような設定ができるので常時80%を上限としてバッテリーを充電している。そのまま外出してLTEに接続し続けている状態でおおむね5時間~6時間程度か。液晶輝度を60%以下にしてバッテリー節約機能をONにすると7時間くらい使える。

試しに先月発売された窒化ガリウム採用のAnker PowerPort Atom PD 1でも充電したところ、給電はできた。出力が30Wとあまり大きくないけどAirPodsと変わらないサイズ、本体とケーブルを合わせても60g台。緊急用と割り切ってこれをカバンに放り込んでおいてもいいかもしれない。

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普段の充電は付属のACアダプタは取り回しが面倒っぽかったので、化粧箱からも出していない。代わりにPD対応の汎用ACアダプタを使ってType-Cポートから充電しているけど、特に問題なく認識して充電もできているので、この辺はPowerDeliveryのメリットか。さらにモバイルバッテリーによっては、給電も出きるっぽいけど、あまりにも重いので一緒に持ち運ぶようなことはしていない。ただ災害時や電源ポートがない国際線飛行機に搭乗するような時に、非常手段として使えるというのは認識しておいて損はないと思う。

Windows Hello

生体認証として顔認証と指紋認証が選択できるけど今回は指紋認証を選択した。ログイン時の反応に不満を持つような速度ではなく、一般的なスマートフォンと同じくらいの精度で認識してくれる。

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Apple Watch + MacBookのログインが最も理想的だと思うけど、指紋認証でも十分快適。iPhoneやスマートフォンと違って再起動時にも指紋認証でログインできるのは結構便利。

重量

1.1kgは13インチクラスのラップトップとしてはごく普通のレベル。700g~800g台といったラップトップもあるけど、搭載される拡張ポートの数が少なかったり、バッテリー容量が少なかったり、ドングルやマウスを持ち運ぶことを考えれば、X1 Carbonは同じくらいの重量かそれ以下になり、結果としてカバンに入れる物の数と重量が減る。

設定

最近は旧PCでバックアップして新しいPCで復元といった作業もなくほとんどクラウド経由となるので、移行作業は効率的。ブラウザとOfficeアプリのインストール、SIMのAP、VPNの設定、会社のセキュリティ設定をしたくらいか。余計なプリインストールアプリもなかったので、アンインストール作業は不要だった。結局2時間もかからず環境は戻せた。

キーボード関連の細かい設定はCapsLockをCtrlに、無変換キーをIME OFF、変換キーをIME ONEにした。IMEも以前はGoogle IMEを使っていたけどMicrosoft IMEでも不自由なさそうなので今後はこっちを使っていく予定。できるだけデフォルトのまま使った方が後々まで快適に使えるはず。

ファン

X1 Carbonはファンレスではない。普段はほとんど気にすることはないけどCPUが高負荷になったときに急に動き出す。

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音はあまり気にならないけど、熱風が本体右側から結構な勢いで出てくるので、マウスを右手で使うと気になるかもしれない。

スリーブ

今まで使っていた13インチ用のスリーブにはギリギリ入らなかったので、とりあえずAmazonベーシックの14インチスリーブを使っている。これはこれで若干大きい気はするけど、軽量、700円と格安だったのでしばらく使って様子を見ることにする。

全体

久しぶりにWindowsラップトップを購入したけど、全体的に満足できるPCだと思う。特に快適なキーボード、高解像度のディスプレイ、SIMフリーのLTE接続、持ち運ぶのに重過ぎない重量、拡張性の高さなど派手さはないけど、実用性を重視するには最高のPCではないだろうか。

普通にお店に行って持って帰ってくるとか、購入金額が変動するのでいつ買えばいいのかよくわからないのは、不安だったりするけど、特にトラブルもなく到着しているので結果として杞憂に終わった。結局使い始めてしまえばそんなことは忘れてしまうので。