EPISODE 02

モバイルワークを試行錯誤するブログ

Mate 10 Pro 1ヶ月使用レビュー

2月の初旬にMate 10 Proを購入してから約1ヶ月半が経過し色々と分かってきたこともあるので、この辺りでの使用感をメモしておく。

ここ数年のスマートフォンの購入履歴はNEXUS 6 > iPhone 7 > P10 > Mate 10 ProとなっていてAndroidの方が利用している機種も多く使っている時間も長い。スマートフォンに関しては端末メーカやOSに大きなこだわりはないので、その時に一番使いやすそうな機種を使っている感じ。

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NEXUS 6以前はiPhoneをオリジナルの時代から毎年買い替えていたけど、iPhone 6 Plusを最後に買い替えサイクルもストップしている。

Mate 10 Proの購入直後レビューは2月の初旬にエントリした。

サイズ

6インチのディスプレイサイズはiPhone 7、P10からの移行を検討した際に最も気になった点。NEXUS 6のように重すぎたり大きすぎたりしたら、持ち運ぶことが苦痛になり結果使わなくなってP10に戻してしまう可能性もあったけど、実際に使ってみてその懸念は杞憂に終わった。

持ち運びは平日はジャケットの内ポケットもしくはカバンに入れて、休日はパンツの後ろポケットに入れることで、ギリギリではあるけどP10やiPhone 7とかわらない持ち運び方ができている。そのサイズに違和感を覚えたり、毎日の持ち運びが面倒になることは無かったのは狭額縁なデザインと、その薄さからか。夏にジャケットを着用しないときの持ち歩きは別途考慮しようと思う。

防水・防塵

IP67相当の防水・防塵性能を持っているけど、今の所バスルームで使ったり、埃の多い場所で使ったりすることはないので、特に恩恵は受けていない。これから梅雨や夏を向かえるので、保険的な役割としてはあった方が良いのではないかという程度。

レスポンス

スマートフォンでゲームはやらないので評価はできないけど、普段使っている中でレスポンスが気になることは無かった。CPUがKirin970と、現時点で最高レベルの性能を持っていること、またメモリが6GBと十分な容量ということもあって、アプリ複数を立ち上げることによる動作の怠慢が気になったり、OS自体がフリーズしたりということは経験していなく、かなり安定して利用できている。

メモリ、ストレージ

メモリの使用量についてはアプリを切り替える度に表示されるので、常に把握することができる。ちょこちょこ確認はしているけど、表示される空き容量が2GBを下回るところを見たことはなく、空きメモリが3GB付近を行ったり来たりしている感じ。本体で確認すると一日の平均メモリ使用量は3.19GBとなっていた。

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ストレージ容量は128GBで外部SDカードは利用できない。ストレージ容量は意識せずに使っているけど、1ヶ月半使って約28GBを消費している。この内ファームウェアとキャッシュで約9.5GB、アプリと写真や動画、その他で19.5GB程度。

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Googleフォトなどを使えばもう少し削減できる気がするので、ストレージ容量はしばらく不足することはないという予測。

ストレージ速度は使っている中で、再起動やアプリの立ち上げが早いなとは感じていたけど、ベンチマークアプリで計測したところスコアは14307となっていて、実際の書き込み読み込み速度も高速。

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参考までにGalaxyS8との比較は以下の通り、すべての項目で上回っているので、速度はスマートフォンの中ではかなり高速なのではないだろうか。

項目 Mate 10 Pro Galaxy S8
Storage score 14307 5286
Internal sequential read 660.15MB/s 621.56MB/s
Internal random read 34.41MB/s 14.11MB/s
Internal sequential write 173.59MB/s 132.32MB/s
Internal random write 24.93MB/s 2.89MB/s
External sequential read 671.5MB/s 529.7MB/s
External random read 34.79MB/s 13.69MB/s
External sequential write 177.65MB/s 132.4MB/s
External random write 24.58MB/s 2.9MB/s

ネットワーク

ネットワークは自宅のWi-Fi環境もIPv6に変更することもあり、インターネットを利用する時の実行速度は150-300Mbpsとなっている。自宅で使う分には必要十分な帯域と速度が確保できている。

モバイル時はソフトバンクとドコモのMVNOの2枚を挿入していて、両方共にLTEの通信速度でストレスを感じることはない。外的要因でLTEの速度低下や圏外があったとしても、その都度キャリアを切り替えれることで、大抵の場合速度やエリアの問題は解決している。エリア・速度の観点からもデュアルSIMは意外に利点が多い。

このため自宅、出先ともに通信速度が原因でレスポンスが悪くなるようなことはない。

文字入力

文字入力のレスポンスはデフォルトでインストールされているIMEのiWnnに慣れなかったため、早々にGoogle日本語入力に切り替えて利用している。ソフトウェアキーボード、外付けキーボード、音声入力ともにレスポンスで気になる点はなさそう。

その他

強いて言えば、まれにLINEで写真やスタンプが即時表示されないことがある。ここはMate 10 Proに問題があるのか、OSに問題があるのか、アプリに問題があるのかうまく切り分けできていないけど、レスポンスで気になる点をあげればその程度か。

ケース

標準で添付されているTPUケースをしばらく使っていたけど、その後純正のフリップケースを別途購入して数週間使っていた。

ケースのレビューは以下にエントリーしている。

純正品なのでクオリティも高めかつ、価格も2,000円程度と良心的だけど、難点に感じられてきたのがフリップをひっくり返して使う際に、背面にある指紋認証センサーが塞がれてしまうこと。普通に使っている分にはいいのだけど、指紋認証が必要なアプリを使う時や、スリープから復帰する時に都度フリップをひっくり返すのが面倒になり、今は別のリアケースに切り替えている。

購入したのはMofiのファブリックケース。

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年末にAmazon Fire HDを購入と同時に購入したファブリックケースの質感が気に入っていたので、今回も同じ素材のものを探した。

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ネットで検索しても日本の販売店や通販では見つけられなかったため、今回は海外通販で購入。送料込み750円位だった。

肝心の質感だけど、細かい織り込みになっているためか、肌触りが良い。

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汚れも傷も着きにくいし、着いとしても軽く拭き取ればすぐに落ちる。ファブリック素材のケースの選択肢は限られているけど、AmazonのFire HDや、Google Pixel 2の純正ケースにも採用されているので、今後はもう少しラインナップが増えていくかもしれない。

ディスプレイ

OLEDのディスプレイは、当初発色の良さに感動したけど、あっという間に慣れてしまった。逆に他のスマートフォンを使うと違和感を覚えるので、今後購入するスマートフォンはOLED搭載が前提になりそう。またOLEDのメリットとしてAlways On Displayが設定できるので、ロック状態でも時刻や端末の情報が確認できるのが気に入っている。

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バッテリーと充電

Mate 10 Proのバッテリー容量は4,000mAhとスマートフォンの中では大容量。当初は2日は持つかなと考えていたけど、実際は1日~1.5日程度。使っているアプリの中でバッテリーを一番消費するのはデスクトップモードを使ってWindowsの仮想環境にアクセスするときと、YouTubeやNetflixなどの動画を観ているとき。ディスプレイのサイズが大きいのとOLEDディスプレイの発色がきれいなので、動画の閲覧時間が増えてしまうのがバッテリ消費の要因か。

充電は標準添付されているACアダプタとUSBケーブルを使うことでHuawei独自の超高速充電が可能になる。これにより1時間もあればフル充電できるので、朝起きてから出かけるまでに充電しておけば、帰宅するまでバッテリー切れの心配がなくなる。

おかげでバッテリー容量不足を気にしてACアダプタや数百グラムあるモバイルバッテリーを持ち歩く必要がなくなったのはかなりのストレス軽減。

イヤホン

Mate 10 Proから3.5mmのイヤホンジャックが廃止されたので、AirPodsを利用している。最初のペアリングがiOS端末と比べてひと手間多いけど、一旦ペアリングしてしまえば、AirPodsのケースから取り出すと自動的にペアリングされるので、普段使っている分にはiOSと変わらない。

極稀に通信が瞬断したり、片方のイヤホンだけ聴こえなくなったりするのが気になるといえば気になるけど、頻繁に発生するわけではないのでしばらくAirPodsを使っていく予定。

Bluetooth

環境に依存する気はしてるけど、手持ちの機材との相性が良くない様子。特にキーボード、マウスの接続は悪く結局積極的に利用するのを諦めている状況。

P10やiPhoneでは同じ事象は起きていないので、Mate 10 Pro固有の問題かもしれない。

ブラウザ

今まではGoogle Chrome、Firefoxを使ってきたけど、最近はSamsungのブラウザを使っている。

デスクトップモードでも、スマートフォンのモードでも高速、高機能で、特にコンテンツブロックは気に入っている機能。ブラウザ表示も速くなるし無駄なパケットも消費せずに済む。

iOSと違ってデフォルトブラウザを固定できるのはAndroidのメリットのひとつか。

カメラ

P10との大きな差分はAI的な機能で最適な写真が撮れることだけど、普段使っている上AIを意識することはなさそう。

出てくる画像はLEICAブランド名が刻まれたSUMMILUX-H 1:1.6のデュアルレンズとNPUの連携でLEICAのカメラとレンズっぽい写真が撮れる。(気がする)

Mate 10 Proを使うことで写真が上手くなるようなことはないけど、手ブレやホワイトバランスが崩れるなど、失敗する写真が少なくなった。若干逆光時にフレアが出るけど撮り方次第で何とかなるかなといった印象。

以下サンプル写真を何枚か。

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電子マネー

Android Payをイマイチよく理解していないこともあって、コンビニでの買い物や電車移動などはすべてApple Watch 3に設定したApple Payを利用している。iPhoneは普段持ち歩いていないけど、今の所不都合はなく正常に決済されている様子。

ここはApple WatchをLTEモデルにしておいてよかったなと思うところ。設定やアプリのインストールにはiPhoneが母艦として必要になるのが若干面倒ではあるけど、アップルが想定している使い方ではないので、工夫しながら使っていくしかないかなと。

デスクトップモード

自宅や会議中のモニタ、ディスプレイに接続して大活躍中。ただ対応しているアプリがまだ多くないので、今はAWSのWorkSpacesにアクセスして仮想環境上のWindowsデスクトップにアクセスして使っている。

SamsungのS8、S8+でも同じようなことができるけど、Mate 10 Proでは、デスクトップモードを利用しているときでも、本体を操作できたり、好みのIMEや外付けキーボードが使えたりと、現状ではMate 10 Proの方がメリットが大きそう。

デスクトップモードは使えるスマートフォンが限られているけど、Androidの標準機能として利用することができるようになれば、さらにスマートフォンの使い方の幅は広がっていくはずなので、ぜひとも他のメーカでも採用してほしいところ。

ラップトップ、タブレットとの棲み分け

Mate 10 Proのディスプレイサイズが大きくなることで、ラップトップやタブレットを使う機会が極端に減ってしまっている。ラップトップやタブレットの利用頻度が下がったのは、上記デスクトップモードを積極的に利用するようになったのが要因だと考えているけどその他にも、

モバイルでの利用を想定した場合iPad ProやWindowsタブレットでできることのタスクのほとんどは、Mate 10 Proでできてしまうので生活サイクルの中から必要とされなくなってしまったこと、

1kg前後になるタブレットやラップトップを持ち歩くのが段々億劫になってきて、移動中は読む、観るなどのインプットに集中し、自宅やオフィスに着いたらデスクトップモードに切り替えて一気にアウトプットするという使い方をすると効率があがることに気づいたこと、

など、Mate 10 Proでかなりモバイルワークのあり方は変化した印象。まだ使い始めて1ヶ月半ということもあり理想的な環境が完璧に構築できたわけではないけど、概ね理想に近づきつつある。今後デスクトップモードで4K表示ができるようになったり、対応するアプリケーションが増えたりすればPCやMacが不要になるかもしれない。

P10か、Mate 10 Proか

Mate 10 Proを購入する前には同じHuaweiのP10を使っていた。5.1インチのIPS液晶、7mmを切る薄さ、LEICAのレンズが搭載されていることなど今でも魅力はたくさんある端末。Mate 10 Proとのお大きな差分は、デスクトップモードが使えることと、6インチのOLEDディスプレイが搭載されていることだと思っている。

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そこに興味がなければ価格差が3万円程度はあるので浮いた分をAmazon Fire HD 10などのコストパフォーマンスの高いタブレットと組み合わせてもいいかもしれない。両方合わせても6-7万円程度で購入できるので、Mate 10 Proを買うよりもコストは抑えられる。

Fire HDは癖がたくさんある端末だと思うけど、お互い機能面で補完しあえるので、使い方次第ではiPhone X+iPad Proの組み合わせ以上に楽しめるのではないだろうか。iPhone+iPadはお互いに尖ったところがない分、何も考えずに快適な環境を提供してくれるけど、機能面で重複する部分が多いので、そのうちiPadの出番が減ってくるような印象はある。

まとめ

Mate 10 Proを使うにあたって細かい課題はいくつかあるけど、全体的に大きな不満はなくHuaweiのフラグシップモデルに相応しい優秀なスマートフォンだと思う。

MWCで2018年モデルもいくつか発表されているけど、Mate 10 Proと比較して革新的なモデルが発売されるような印象もないので、しばらくはMate 10 Proでどこまでできるのか継続的に検証していくつもり。