JAPANNEXT 4Kモニタ IPS2770UHDレビュー
ここ最近視力も落ちてきたせいか、気になってきたのがいつも自宅で利用しているモニタの解像度。今利用しているのは、acerの27インチフルHDモニタなのだけど、スマートフォンや高解像度のタブレットやラップトップに目が慣れてしまうと、表示の粗さが気になって仕方なくなる。特にテキストを入力しているときの文字の滲みが日に日にストレスが溜まってくるようになってきた。
ストレスを溜めながら作業し続けるのもあれだな、ということで4K以上の解像度をもったモニタの購入を検討し始めた。PCやMacを接続して使うのはもちろん、できればMate 10 Proのデスクトップモードでも使ってみたいというのもある。
そんな中、JAPANNEXTというメーカから、27インチ、4Kのモニタ「IPS2770UHD」が発売されたというニュースが。スペックはともかく、いちばん気になったのがその価格で、IPS液晶で33,000円だという(税抜、送料別)。JAPANNEXTというメーカのモニタは今まで目にしたことがなかったので不安もあったけど、一応Amazonや大手量販店のサイトでも販売しているので、それなりに実績のあるメーカっぽいことはわかった。
IPS2770UHDの主な仕様は以下の通り。
液晶パネル
サイズ:27インチ
解像度:3840☓2160
パネル種類:IPS
バックライト:ELED edge Type
輝度:350cd
コントラスト:1000:1
アスペクト比:16:9
応答速度:9ms
表面処理:非光沢
リフレッシュレート:60Hz
機能
フリッカーフリー
ブルーライト軽減モードあり
インターフェイス
HDMI 2.0 ☓ 2ポート
ディスプレイポート☓ 2ポート
イヤホンジャック
スピーカー 5W ☓ 2
その他HDRには非対応だったり、チルト機構は前後5度のみに対応していて、高さ調整や90度回転させて縦位置で利用することはできない。またスピーカーの出力と音質には期待できないけど、そもそもモニタのスピーカには最初から多くを求めていないので、むしろなくてもいいくらいか。今回の購入目的で想定する用途はゲームをしたり動画編集をしたりということではなく、主にテキストの編集やブラウジング、適当に写真の編集くらいでなので、この仕様でも必要十分。作業中心なので非光沢液晶なのも個人的にはありがたいところ。
ということで、Webから発注した翌々日には無事到着していた。到着までの期間がAmazonと大差なくとても早いのは良い印象。
箱から出して組み立て終わるまで約10分。付属品は電源ケーブル、HDMI 2.0ケーブル、リモコンとマニュアルなどのペーパー系のみとシンプル。組み立て作業にネジを使うのはびっくりしたけど作業自体は説明書がいらないくらい簡単。
その価格から外観のクオリティには期待していなかったけど、狭額縁なデザインと、メタルっぽいフレームデザインもあり正面から見た感じは、価格以上という印象。期待値が低かった分だけ、見た目の満足度は高い。
背面は流石に安っぽさを隠せないようで、安物樹脂感がすごい。この辺は大手メーカには敵わないところだろうけど、普段は全く目にしないところなので割り切っているのだろう。
ポート関係。
ACアダプタが本体に収納されていない点は残念。今まで利用していたacerのモニタは本体に内蔵されているので、以外に置き場所に困る。取り敢えずは床に直置きにしてしまった。
セットアップは一瞬で終わったので、まずはHPのラップトップと接続してみる。HPのラップトップにはHDMIポートが存在しておらずUSB Type-Cポートのみとなるため、
ラップトップ > USB Type-C延長ケーブル > USB Type-C ハブ > HDMIケーブル > IPS2770UHD
という構成で試してみたけど手持ちのUSB Type-C延長ケーブルが4K出力に対応していないようで、最大の解像度が2560x1440に制限されてしまう。
とはいえ、ここは想定内だったのでUSB Type-C延長ケーブルを使わずに、直接USB Type-Cのハブに接続するかRAV PowerのUSB Type-C to HDMIケーブルを利用してラップトップとモニタを接続してみると、無事3820×2160(60Hz)の4K解像度で動作した。
HDMIではなくType-C入力ができるモニタも数多くのメーカからリリースされているので、それがうまく使えれば、映像、音声出力に加えて端末の充電もできるはずなので、もう少しスマートな使い方ができそう。次回のモニタ購入時には検討してみたい。いつになるかわからないけど。
表示関係についてはPPIが163、sRGB100%ということから、フォントも美しく表示されているし、写真や動画の発色に不満を感じることもなかった。
さすがに目を近づけて高解像度のMate 10 Pro本体のディスプレイ(6.0インチ 18:9 OLED / 2160×1080ドット)と比べてしまうとあれだけど、普段作業する50cm程度で見ると全く気にならないレベル。ほとんど印刷物と変わらない感じでテキストは表示されているので、フルHDの解像度と比べると快適に作業できそう。
想定通り100%だとフォントやアイコンの表示が小さすぎるので、まずはスケーリングを150%で設定した。デスクトップの領域を広げたいという意図よりもフォントをきれいに表示したいということが優先しているので、この辺はもう少し使ってみて、好みのサイズになるよう最適化していきたい。
事前確認無しで不安だったけど、Amazon WorkSpacesのWindows仮想デスクトップも4Kに対応していたので、これも一安心。
視野角はIPSパネルということもあり、TNパネルのように横や上下から見て画面が黄ばんだり、くすんだりということもなさそう。真横から見ると若干の映り込みも感じるけど、ほとんど気になるような感じではない。
設定関係については、モニタ本体での設定もできるけど、ボタン類が完全に背面にあるため、手探り作業になってしまう。
ただ全ての設定や操作は付属のリモコンで可能なので、普段はリモコンを利用したほうが便利。
期待していなかったスピーカーだけど、大きな音量でも音割れせずに出ている様子。ただ音質自体は篭った感じに聞こえるので、普段は別のスピーカーを接続して利用したほうがよさそう。モニタ本体に3.5mmのイヤフォンジャックがあるので、そこからスピーカーに出力できる。
次に試したのがスマートフォンMate 10 Proとの接続。目的はデスクトップモードを、より快適に利用したかったため。
まずは、上記RAV PowerのUSB Type-C to HDMIケーブルを利用してMate 10 Proとモニタを接続してみると表示自体はあっさりと完了した。ただしデスクトップモードで表示できるのはフルHD以下の解像度に限定されているのか、4K解像度での表示はできない様子。
文字もアイコンもフルHDモニタを使ったときの表示とほとんど変わらないので、ラップトップで利用するときのようなくっきりとした表示ができないのがなんとも残念。
Mate 10 Pro側に外部出力する解像度を設定するような項目もなさそうなので、現時点ではフルHDでの出力が限界ということになりそう。
HuaweiのWebサイトを見てもMate 10 ProがHDMIの出力可能な解像度の記載がないし、JAPANNEXTののサイトにも当然ながらMate 10 Proとの接続を保証しているものは見つけられず、4K出力が可能なのかわからかったので、次機種Mate 11 Pro?に期待か。ただしデスクトップモードではなくミラーリングであれば4K表示は可能だったので、動画を外部モニタで観るときなどは、積極的に使ってみても良いかもしれない。
今春発売される予定のGalaxy S9も4K出力はミラーリングのみに限られているようなので、スマートフォンとしてのスペックが追いついてないということか。
そもそもWindowsPCでさえビデオカードによっては4K表示に制限があるPCもあるくらいだし、スマートフォンで4K出力できるのだろうか、もし出力できたとしても動作が怠慢だったり、スケーリングできずに文字の表示サイズが小さくなりすぎて、認識できないのではないかという懸念もある。
まとめ
色々と心配はあったけど、送料と税金込みで3万円台という価格を考えれば十分に満足のいく買い物だったと思う。欲を言えばUSB Type-Cでの入力があれば完璧だったけど、この辺はType-Cのハブを使ってうまいことやりくりすれば、ケーブル1本で、モニタ、充電、外付けキーボード、マウスに自動接続も可能になりそうなので、使い勝手はそれほどかわらないのかなと。
まだ使い始めて数日しか経っていないので使っていくうちに気になる点は出てくるかもしれないけど、今のところモニタの性能には満足できている。
もう数年もすればUSB Type-Cでの出力、OLEDなどが当然のように搭載されているのが数万円で購入可能になるのかなと期待していて。その頃に再度検討して見る予定。