EPISODE 02

モバイルワークを試行錯誤するブログ

Huawei Mate 10 ProとSamsung Dex Station

先日購入したHuaweiのMate 10 Proだけど、デスクトップモードを色々試している。わりと新しい機能なので不明な部分も多いけど、徐々にできることできないことを検証していくつもり。

今回試したのがSamsung DeX Station。Galaxy S8シリーズとNote 8向に対応したドック的なアレ。HDMIが1ポート、USBが2ポート、Ethernetが1ポート、USB Cが1ポート搭載されていて、充電しながら外部ディスプレイや周辺機器に接続したり、有線LANを利用したインターネット接続ができたりする。

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持った感じは剛性感もあり、しっかりと作り込まれている印象。少なくとも普通に机の上に置いて使っていれば、スマートフォンの自重でDeX Stationごと倒れたり、各ポートの差込口が破損したりということは無さそう。

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今回はMate 10 Proのデスクトップモードを利用するときにUSBポートにHDMIケーブルを接続するのではなく、スマートフォン本体をDeX Stationに挿入することで、キーボードや、マウス、ディスプレイと簡単に接続することができるのではないかという想定で検証してみた。

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まずはDeX本体の各ポートに手持ちの機器を入れてみて、Mate 10Proとの組み合わせで動作の可否を確認した。結果は以下の通り。

電源とHDMIポート

USB CのHUBと異なり、DeX Stationを利用する時はDeX Stationへの給電が必要。付属のケーブルをACアダプタに、HDIMケーブルを外部ディスプレイと接続する。

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準備はこれでOKなので、Mate 10 ProをDeX Stationに挿し込むと、あっけなくデスクトップモード画面を表示することができた。当然デスクトップモードを表示しながらMate 10 Proへの充電もできる。

USBポート

USBメモリを挿してみると、こちらも問題なく認識されている様子で、読み込み書き込みも可能。同様にSamsungのポータブルSSD T3も認識できたので、ストレージ系の利用は特に問題無さそう。

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セルフパワーで動作するHDDも電源に接続すれば利用できる。HDDは今後使う想定はないけど、一応確認だけはしておいた。キーボードもAppleのMagic Keyboardを繋げてみるとこちらも無事入力することが可能で、マウスも問題なく認識する。

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Logicool Unifyingレシーバーはペアリングが完了しているドングルを挿すだけで認識する。Unifyingレシーバーのペアリング作業はMate 10 Proではできないため、別のPCで作業しておくのは前提となる。試しにUnifyingに対応したマウスとキーボードを使ってみると、こちらも普通に動作した。

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試したのはLogicool K375sのJISキーボードとM590マウス。ちゃんと日本語キーボードとして認識されているのでキーボードの入力で苦労することはなさそう。全てのキーアサインは確認できていないけど、通常の文字キーの他にボリュームキー、ミュートキーなども利用することができた。

UnifyingはBluetoothと違って接続までの時間が短いことに加え、ペアリングが切れたり利用中に切断したりといったことがほとんどなく、安定して通信できるのでDeXを使うときにはUnifyingレシーバーを利用してマウスとキーボードを使ってみることにする。DeXとはあまり関係ないけど、久しぶりに引っ張り出してきたK357sというキーボード。確か2,000円程度で購入した記憶があるけど、値段の割に打ちやすい。相当コストパフォーマンスが高いキーボードではないか。しばらくこの組み合わせで使ってみることにする。

有線LAN接続 

Wi-Fi接続を切った後、LANケーブルをEthernetポートに挿して、Mate 10 Proを挿し込むだけで、インターネットへ接続される。

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あまり利用する機会はないけど、よりオフィスなどで、安定した通信を望むのであれば、有線LANの接続を検討してみてもいいかと思う。ただし通信速度の上限は100Mbpsなので、今となってはWi-Fiを利用した方が通信速度は高速になることもあるはず。速度が必要なときはWi-Fiで、安定性を求めるときは有線LANで、といった使い方が正しいかもしれない。

すべての外部接続ポートに接続するとこんな感じになる。

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音声出力

DeX StationとHDMIを接続すると音楽や動画などはモニタから出力される。モニタにもよるだろうけどモニタの内蔵スピーカの音質には期待できないので、Bluetoothを利用してAmazon Echo Dotから出力している。少なくともモニタのスピーカよりは格段に良くなるし、Echo Dotからの出力を停止したいときは「Alexa スマートフォンとの接続を解除して」とコールすると接続解除される。わざわざMate 10 Pro側を操作して接続を解除するより快適。

サブディスプレイ

DeX Stationに入れたままでもMate 10 Proの画面が消えることはないし、タッチで操作することもできる。従って外部モニタに出力中に、メールやLINEなどのアプリを立ち上げておいて、マルチディスプレイ的な使い方もできる。Samsungのスマートフォンでは、接続するとスマートフォン本体の操作ができなくなるので、Mate 10 Proの方が使い勝手は良いのかもしれない。

指紋認証によるロック解除

Mate 10 Proは背面に指紋認証のセンサーがあるので、DeX Stationに立ててしまうと手を伸ばして認証する必要があるので、若干面倒。OSにログインするだけならば、外付けのキーボードからパスコードを入力してログインすることはできるので、ある程度使い方でカバーする必要はありそう。ただデスクトップモードを使っている間はロックされないので、普段使っている上でそれほど気にすることはない。どうしても気になるのであれば、Echo DotなどのBluetooth機器を信頼できる端末に設定して、接続されている間は、ロック解除状態にするなどの回避もできる。

本当はApple Watch 3を持っている間はロック解除状態になるのが理想だけど、AndroidのスマートフォンとApple Watchはペアリングに失敗するため、現時点では難しそうな感じ。Androidのスマートフォンを使っていれば、上手くいくかもしれない。

気になる所

試している中で、気になったのが以下の3点だけど、使い方によっては問題になる気がしている。

1)Mate 10 Proに付属しているケースを利用すると、接続することができない。Mate 10 ProとDeX Stationの接続はかなりセンシティブなようで、ケースなどの厚さでも干渉すると認識されない様子。そのため、DeX Stationに入れる度にMate 10 Proをケースから取り出す必要がある。ケースの取り外しは結構面倒なので、別のケースに変えるか、もしくはケース無しで運用するのか、検討する必要がありそう。

2)電源が必要

電源が必要なのは仕方がないとして、DeX Stationに付属しているSamsungのACアダプタとUSB A to Cケーブルでの利用が前提となっている。

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ケーブル長が1.1m程度と短いのと、ケーブルが細いので机とコンセントの位置によってはテーブルタップなどを利用した工夫が必要になる。試しにMate 10 Pro付属のACアダプタとケーブルしてみたけど、この組み合わせでは認識せず。そこでいつも卓上で使っているAnkerのAnker PowerPort+ 5のUSB Cポートから、AnkerのUSB C to Cケーブルを接続して利用したところ、無事に認識して充電もできていた。当面は純正のACアダプタは利用せずに、AnkerのPowerPortを利用する予定。ただし超高速充電、高速充電ともに非対応なので、充電速度には期待しないほうが良さそう。

3)価格

Amazonなどの通販で購入すると15,000円程度。USB CのHUBが数千円から1万円以内で購入できることを考えると少し高いような印象。同じようなことがUSB Cのハブでも実現できるので、ドック的な使い方を期待しないのであれば、あえて購入する必要はない。

まとめ

周辺機器をDeXに入れるだけで利用できるようになるのは、ナイスなソリューションだけども、自分の環境で快適に使うのはもうひと工夫が必要な印象。そもそもMate 10 Proの利用はHuaweiもSamsungも想定していないはずなので、そこは仕方がないところ。

持ち運びについては流石にこの大きさ、重量(収納時のサイズは105.2×105.2×47.5mm、重さ 230g) のものを持って歩く気にはならないので、DeX Stationは自宅やオフィスのデスクに据え置きし、外出時にはHDMIケーブルと、Bluetoothを利用してマウスとキーボードに接続するというのが現実的な使い方になるはず。

色々書いたけど、Mate 10 Proのデスクトップモードをうまく活用すればWindowsとAndroidが同一画面で動作したり、複数のAndroidアプリを同時に立ち上げたりと今までのスマートフォンとは全く異なる使い方ができる。

できること、できないこと、制限があることなど若干混乱している部分もあるけど、上手に使えば生産性も向上するし、物理PCを購入するためのコストもかなり抑えられるはずなので、もう少し深掘りして検証していきたいと思う。